
最近、Twitter(X)上でひろゆき氏(西村博之氏)の写真が使われた広告を頻繁に見かけるという声が増えています。一見すると本人の発言やインタビューを紹介するかのような内容ですが、クリックするとまったく無関係なサイトへ誘導される仕組みになっています。
この記事では、こうした広告の正体や誘導先サイトの実態、背後にある詐欺手口などをわかりやすく解説します。被害を未然に防ぐためにも、ぜひ最後までご一読ください。
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Twitter広告に使われる「ひろゆき氏」の写真は本物?

まず確認しておきたいのが、広告に表示されるひろゆき氏の写真や発言が本物かどうかという点です。結論から言うと、ほぼすべてが無断使用または偽造されたものです。
実際に表示される広告には、以下のような特徴があります。
- 本人の実際の写真を加工して使用している
- 背景が不自然なAI合成画像になっていることがある
- 動画風の静止画(再生ボタン付き)でクリックを誘う
- 発言は本人とは無関係なフィクション
これらの画像やテキストは、AI画像生成ツールや合成音声を使って作られた可能性が高く、本人が登場する正規コンテンツではありません。つまり、信用してはいけない広告です。
広告のリンク先には何がある?偽サイトの構造と実態
では、これらの広告をクリックするとどこに飛ばされるのでしょうか?実際のリンク先として確認されているのは、以下のようなサイトです。
- virtuoso.com:高級旅行サービスの正規サイトですが、詐欺グループが類似ドメイン(例:surprise-virtuoso.com)を悪用する事例が確認されています。
- foratravel.com:旅行代理店ネットワーク「Fora」の正規ドメインで、こちらも名前を利用されていると考えられます。
- perplexity.ai:AI検索サービスの公式サイトですが、詐欺広告でリンクされるケースもあります。
一見すると本物のサイトのように見えますが、途中でリダイレクトされるなどして、最終的には投資詐欺サイトや仮想通貨勧誘ページ、LINE登録ページなどに誘導される仕組みです。
特に注意したいのが、偽ニュースサイトや偽の新聞記事に見せかけたページ。実在するメディアのロゴを勝手に使い、「ひろゆき氏が金融庁に告発された」「日銀に反発して起業した」など、あり得ない見出しで誘導してくるパターンもあります。
広告出稿アカウントの不審な特徴
このような広告を出しているアカウントにも共通点があります。
- 数年前に作成されてほぼ放置されていた古いアカウント
- 投稿履歴がほぼなく、広告投稿だけ
- 名前やプロフィール写真が不自然
- Xの有料認証(青バッジ)を取得している
つまり、一見信頼できるように見せかけているだけの「偽装アカウント」なのです。しかも大量のアカウントを同時に使って似たような広告を出し、通報をかいくぐる手口も見られます。
実際に起きている被害と裁判例
こうした広告に騙されてしまい、多額の被害を受けた事例も多数報告されています。
例えば、2024年には仙台の女性がひろゆき氏の広告に騙され、仮想通貨投資に関連して3000万円以上の損害を受けたと報道されています。
さらに同年には、Facebook広告経由で被害を受けた関西の男女4人が、Meta社に対し総額約2300万円の損害賠償請求を起こす集団訴訟も話題になりました。いずれの広告にも、ひろゆき氏や前澤友作氏など著名人の名前・写真が使われていたことが共通しています。
警察庁の統計によれば、SNS広告経由の投資詐欺の年間被害総額は278億円にも上ると言われており、社会問題化しています。
背後にある詐欺グループの正体とは
これらの広告やサイトを運営しているのは、個人ではなく組織的な詐欺グループだと考えられています。
特に「surprise-virtuoso.com」などの偽ドメインが、香港法人名義で登録されていたことが確認されており、海外の詐欺組織による仕掛けである可能性が高いです。
また、複数の言語やドメインで広告を展開しており、日本語広告だけでなく英語・中国語・韓国語などにも同じような詐欺広告が広がっていると報告されています。これは、国際的な広告ネットワークと結びついた詐欺マーケティングの一環と見られています。
広告に騙されないための対策
被害を未然に防ぐには、以下のような対策を心がけましょう。
- 著名人の画像や名前が使われている広告には警戒する
- リンク先が本物のサイトに見えても安心しない
- 広告主アカウントの投稿履歴や信頼性をチェックする
- 広告を見たら「プロモーション」表示を確認し、報告機能で通報する
- LINEやメールで個人情報を入力しない、登録しない
- 少しでも怪しいと感じたら第三者に相談する
まとめ:SNS広告は信用せず、冷静に対応を
ひろゆき氏をはじめとした著名人の名前を無断で使い、偽サイトへ誘導する広告は後を絶ちません。特にAI画像や合成音声を使った偽装が増えており、今後ますます見分けが難しくなる可能性があります。
広告に表示される内容をすぐに信じ込まず、「これは本当に本人の発言か?」「なぜ広告に出ているのか?」と一度立ち止まることが大切です。
万が一被害に遭ってしまった場合は、すぐに消費生活センターや警察などに相談しましょう。そして、周囲の人にも注意喚起を行い、被害の拡大を防ぎましょう。
SNSを安心して使うためにも、広告を見る目を養い、冷静な対応を心がけてください。





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